こんにちは!三つ子とお姉ちゃんの育児奮闘中、看護師ママのひろです。
今週は知り合った三つ子妊娠中の方が予定帝王切開をされました。
私の経過と同じように管理入院になってからも点滴無しで病棟内は歩いている聞いて、昔の私を思い出していました。
その方が気にされていた帝王切開の手術、痛みのこと、麻酔、入院期間、傷跡のことなど記事にしました。
双子、三つ子でよくある予定帝王切開、緊急帝王切開とは?
「予定帝王切開」は、事前の検査などから経腟分娩に適さないと判断され、前もって計画して行う帝王切開のことです。 もうひとつの「緊急帝王切開」は、経腟分娩や予定帝王切開を予定していたものの、妊娠経過中やお産の進行中に何らかの理由で経腟分娩が不可能と判断され、急いで行う帝王切開です。
多胎妊娠(双子や三つ子など)の場合、経腟分娩よりも帝王切開となることが多く、予定帝王切開が行われることもあります。帝王切開となる主なケースは次のとおりです。
- 切迫早産(通常の分娩時期より前に赤ちゃんが産まれそうになっている状態)や妊娠高血圧症候群の割合が高くなる
- 分娩途中に児の状態が悪くなったときや、分娩進行が悪いとき
- 骨盤が狭い人
- 前回の出産時に帝王切開だった人
帝王切開は開腹手術なので経腟分娩に比べて出血量が多くなり、おなかに傷が残るというデメリットもあります。けれど、赤ちゃんたちの胎位にかかわらず、短時間で安全に出産できる点がメリット。微弱陣痛でお産が長引く心配がないので、2人目の赤ちゃんの回旋異常(通常赤ちゃんはゆっくり体の向きを変えながら産道を通りますが、なんらかの理由で向きを変えられずお産がスムーズにいかないこと)や、へその緒・胎盤のトラブルなども回避できます。術後、まれに母体に、肺血栓(下半身に形成された血栓が肺動脈を詰まらせる症状)が起こることがありますので、早期に起きて歩行するなどの予防も必要です。
私は25週で管理入院した時には予定帝王切開の日は決まっていませんでした。できるだけ長くお腹の中にいてもらえるように36週が目標ということを主治医から言われました。三つ子の出産は32~34週が多いと聞いていたため、きっと無理だろう、だけどできるだけという言葉に希望を持ちながら34週を迎えました。34週になると身体の限界が来ていました。少量の付着程度の出血があり、予定帝王切開の予定が決まりました。34週6日の午後から出産と前日に決定しましたが、34週6日目の明け方に陣痛が始まり、朝になりスタッフが揃うのを待ち、緊急帝王切開で出産しました。
双子、三つ子の場合の帝王切開の麻酔、手術時間
麻酔方法は部分的に麻酔する局所麻酔が一般的ですが、一刻も早く赤ちゃんたちを取り出す必要があるときやママに合併症があるときには全身麻酔になります。麻酔後、下腹部を縦か横に10~15㎝ほど切開します。傷あとが目立ちにくい横切りに対し、子宮筋腫や前置胎盤などで出血が多くなると予測されるケースや緊急時は、手術しやすい縦切りになることが多いようです。どちらで切るかは病院の方針にもよります。
私は緊急帝王切開でしたが、主治医が手術を行い、横切りの切開でした。
妊娠中の合併症で妊娠性血小板減少と診断されていました。診断されたのは25週で入院した時の採血でした。そこから週に1~2回の採血、血液内科にもフォローしてもらい、妊娠以外に血小板減少の原因が否定され判明しました。そのため、帝王切開での手術前に血小板輸血をし血小板を上昇させることができれば局所麻酔での手術ができる予定でしたが、緊急であり血小板輸血を溶かす2時間を待てないということで全身麻酔で手術をしました。
普通、手術時間は約30~50分。執刀から5分後に、まずは子宮口の近くにいる赤ちゃんの卵膜(らんまく)を破って取り出し、へその緒を結んで切ったら、次の赤ちゃんも同様に数分以内に取り出し、赤ちゃんたちが誕生します。最後に胎盤を取り出し、切開のあとを縫合したら手術は終了です。局所麻酔の場合は意識がはっきりしているので、誕生の瞬間に産声を聞くこともできます。
私は全身麻酔で、次女、三女と同時間、長男は1分後に出産しました。麻酔導入、手術開始、出産、縫合、覚醒までの時間は40分ほどでした。
双子、三つ子の場合の帝王切開の痛み
双子、三つ子でも切開の長さは同じです。痛みは個人差がありますよね。帝王切開による出産の痛みは術後「約3日」がピークといわれています。
帝王切開の痛みには「傷の痛み」と「子宮収縮の痛み(後陣痛)」があり、それぞれのピークは手術後から「約3日」までです。
しかし痛みが続く期間には個人差があるため、なかなか治まらない人もいます。
私は手術後、傷の痛みより子宮収縮の痛みが強く出ました。初産より経産婦の方が子宮収縮の痛みは感じるそうです。横を向くと子宮が一緒に動くのを感じていました。
硬膜外麻酔で帝王切開をした場合は、術中に使用したカテーテルに鎮痛剤を投与して痛みを抑えます。
私は手術後の患者さんの看護をした経験からも痛みは我慢しないでいい、痛い時に正直に痛いと伝えることが大事と思っています。痛いと言えばそのタイミングに合った痛み止めを考えてもらえます。点滴の鎮痛剤だけでは痛みが治まらない人には他の注射を考えたり、座薬、内服のタイミングなど調整して緩和できる方法を探してもらえます。
赤ちゃんへの影響を心配する方もいるかもしれませんが、多くの薬は母乳中に移行する量が非常に少なく、赤ちゃんに影響を与える薬は限られるといわれています。
痛みが強いときには我慢せず、適度に薬の力に頼ることも大切です。
双子、三つ子の場合の帝王切開の入院期間、傷跡
帝王切開の入院期間は、手術当日を0日目として7日目または母児の体調が問題なければ6日目に退院できる場合が多いです。ただし、産前・産後の体調や病院によって入院期間は異なり、10日以上になることもあります。私は出産後7日目の退院と決まっていました。双子、三つ子の出産だからといって入院期間は長くならないそうです。
帝王切開の傷跡は、術後3日ほどで閉じてきますが、体質や傷跡への刺激などによって、肌の色に近い傷痕になるまで3ヶ月から1年ほどかかる場合があります。傷跡のケアは長期的に継続する必要があり、抜糸や抜鈎が終わったら伸展刺激(皮膚を伸ばさないようにすること)を抑制しながらケアを始めるのがポイントです。私の場合はケロイド体質があるので傷跡にテープを貼ったり、ヒルロイドの保湿剤を使っていました。もうすぐ産後1年になります。傷跡は残っていますが、痒みやケロイドにはなっていません。なっている方もいるので個人差はあります。
まとめ
帝王切開の手術をされる方には様々なリスク、初めての体験で不安を抱えている方も多いと思います。痛みを伝えることは弱いこと、情けないことではありません。痛みという感覚はご本人しか感じられません。そのまま伝えて、適切に使えるタイミングで痛み止めを使って、少しでもラクに過ごせるようにしましょう。
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